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スズキ【ジムニー】【ジムニーシエラ】は2018年に20年ぶりのフルモデルチェンジを迎えた事がニュースとなり、今も納期待ちが続く人気のコンパクトクロスカントリーSUVです。
シンプルながらもタフな走りを期待させるデザインを裏切らない走破性が高く評価される、軽自動車規格サイズながらも本格オフローダーとして世界的にも稀有な存在であるジムニーを選ぶ時、もっとも悩むのがATかMTどちらを選ぶかでしょう。
【ジムニー】【ジムニーシエラ】のATとMTそれぞれの魅力を取り上げていきます。
【ジムニー】【ジムニーシエラ】ATの良いところ、悪いところ
引用:https://www.suzuki.co.jp/car/jimny/
現行軽自動車規格施行の1998年から約20年生産されてきた先代ジムニー・ジムニーシエラから現行(4代目)ジムニー・ジムニーシエラへとフルモデルチェンジしてから約2年、今も1年~1年半の納期待ちとなっており、発注する際には長い納期待ちを覚悟すると共にグレード・装備の選択とトランスミッションの選択は慎重に期する必要があります。
AT限定免許の御家族で共用するのならばAT択一となるでしょうが、MTの方が本格オフローターとしての走りを楽しめるのでは、と思われる方が多いでしょう。
では、ジムニー・ジムニーシエラにATという組み合わせは本当に魅力が劣るのでしょうか?
先代ジムニー・ジムニーシエラのAT車に乗った経験がある人にとっては、ATでは高速道路では速度が伸び悩み、山道では上り坂で失速したりと残念な思いをしたかと思います。
しかし、現行型ではジムニー・ジムニーシエラ共にエンジンが一新されたこともあり、悪い印象は払拭されています。
引用:https://www.suzuki.co.jp/car/jimny_sierra/
特にジムニーシエラは1.3Lから1.5Lに排気量がアップして出力・トルク共に向上していることから市街地から高速道路までキビキビに走れる仕上がりとなっています。
そうなるとMTに比べてATのメリットが大きくなってきます。
降雪地域ではジムニー・ジムニーシエラの走破性を期待して深雪の中を走る事もあるでしょう。
また山間部で林道など未舗装道を走行する場面も想定されます。
その際、MTでは慎重なアクセルワークと頻繁なシフトチェンジを強いられ、場合によってはエンジンストールしてしまう、という事もあり得ます。
特にジムニーの場合、660ccという排気量からシフトチェンジの頻度が上がり、それだけドライバーへの負担が増えてきます。
引用:https://www.suzuki.co.jp/car/jimny/
しかしATではその心配がありません。
一般的なATと同じくシフト操作する事無く走行可能で、余程のことが無い限りはエンストすることはありません。
クラッチ操作も不要なのでドライバーは路面状況の確認に集中しやすいのもメリットで悪路でスタックする可能性を下げることも出来ます。
また先代ジムニー・ジムニーシエラやスズキ製軽バン・トラックで使われ続けた実績のある4段ステップAT(トルコン式4速AT)が採用されているので過酷な走行環境で重要となる信頼性も高く、ATだからMTと比べて信頼性が劣るなどという心配はありません。
AT限定免許の方でも運転出来るため幅広い層にジムニー・ジムニーシエラの走りを堪能して頂ける、というのが最大の魅力といえるでしょう。
オフロードや悪路のみならず、信号や商業施設等のスロープでのストップ・アンド・ゴーや坂道発進などでのシフト操作・クラッチ操作が不要になるのも普段使いするなら魅力的でしょう。
坂道発進に関しては「ヒルホールドコントロール」があるので先代やかつてのMT車と比べて難易度は下がりましたがそれでもクラッチ操作が必要となります。
引用:https://www.suzuki.co.jp/car/jimny/
また現在では標準装備する車種が多くを占める「誤発進抑制機能」がATには備わっていますがMTでは「スズキ セーフティ サポート」装着車であっても「誤発進抑制機能」は対応していません。
しかし、良いところだけではありません。
ATの悪いところ、欠点となるのが4段ステップAT(トルコン式4速AT)ゆえのものになります。
現在、軽自動車・コンパクトカーの多くがCVT(無段変速機)を採用しており高い燃費性能を発揮する一因となっています。
引用:https://www.suzuki.co.jp/car/hustler/
https://www.daihatsu.co.jp/lineup/taft/
例えばジムニー・ジムニーシエラとはコンセプト・駆動方式が異なりますが、同クラスのクロスオーバーSUVである【スズキ ハスラー】【ダイハツ タフト】【スズキ クロスビー】【ダイハツ ロッキー/トヨタ ライズ】では20km/Lを越えるWLTCモード燃費性能を誇りますがジムニー・ジムニーシエラでは13km/L程度(AT車)の燃費性能となります。
ATは同じジムニー・ジムニーシエラのMTと比較しても大幅に燃費性能が劣ります。
カタログ燃費を比較すると以下のようになります。
ジムニー | MT | AT |
---|---|---|
WLTCモード | 16.2 km/L | 13.2 km/L |
市街地モード | 14.6km/L | 11.0km/L |
郊外モード | 17.5km/L | 13.9km/L |
高速道路モード | 16.5km/L | 14.2km/L |
ジムニーシエラ | MT | AT |
---|---|---|
WLTCモード | 15.0 km/L | 13.6 km/L |
市街地モード | 12.8km/L | 11.2km/L |
郊外モード | 15.8km/L | 14.7km/L |
高速道路モード | 15.9km/L | 14.6km/L |
引用:https://www.suzuki.co.jp/car/jimny/
ジムニー・ジムニーシエラは「機械式副変速機」でロケーションに合わせてパートタイム4WDを「2H(2WD)」「4H(4WD高速)」「4L(4WD低速)」と切り替えられますが、「舗装路・市街地・高速道路」向けの「2H」にしても上記の燃費性能でジムニー・ジムニーシエラ自体が他のコンパクトSUVと比べると燃費性能が劣ります。
その中でもATは一段と燃費性能が劣っています。
これはCVTと比べるとステップATが燃費性能で不利になる、という側面が大きく、信頼性を重視してステップATを採用しているジムニーというクルマの特性上致し方ない面となります。
引用:https://www.suzuki.co.jp/car/jimny_sierra/
また外観を見れば最近の流線型で空気抵抗の少ない車と比較して直立したフロントバンパー周りや平坦なフロントガラスなど空気抵抗が大きいデザインも燃費性能に不利な面といえます。
しかし燃費が悪いといっても少し前のステップATの軽自動車・コンパクトカー並の燃費性能ですので、ジムニー・ジムニーシエラも先代と比べて燃費性能が向上しているのは確かです。
引用:https://www.suzuki.co.jp/car/jimny_sierra/
次にネックとなるのが高速走行時のエンジン音です。
高速走行において、ジムニーの場合100km/h前後の速度域では3,750rpmと他の軽自動車と比べると回転数が高くなり室内にエンジン音が響いてきます。
それでも先代では4,000rpmを越えていた事を思えば回転数が抑えられており高速移動の快適具合は改善されています。
速度域を80km/h程度に抑えればエンジン音を抑えられる上に燃費も向上しますので高速道路ではゆっくりのんびりと移動する心積もりで運転するのが良いでしょう。
ジムニーシエラでは100km/hで約2,900rpmと4ATの1.5Lクラスのコンパクトカー並の回転数で特に意識すること無く快適に高速走行が出来ます。
先代ジムニーシエラから乗り換えると明らかに改善しているのを体感出来ます。
それでも燃費を向上させるためにはゆっくりのんびりと運転する方が良いでしょう。
引用:https://www.suzuki.co.jp/car/jimny/
そもそもジムニー・ジムニーシエラはラダーフレームを採用するFR駆動の本格オフローダーであり、乗用車ベースでモノコックボディを採用した【ハスラー】【タフト】【クロスピー】【ロッキー/ライス】といったオンロードメインのクロスオーバーSUVとは求められている用途が大きく異なるクルマですので燃費性能よりも走破性を優先した「世界的にも稀有なコンパクトサイズのクロスカントリーSUV」である事を認識した上で、「ジムニー・ジムニーシエラでしか体験できない走り」を楽しむ心構えであれば燃費性能や走行音についてそれ程不満は感じないでしょう。
特にATはジムニー・ジムニーシエラを気軽に楽しめるアイテムですのでMT派の方も一度は試乗してみては如何でしょう。
【ジムニー】【ジムニーシエラ】MTの良いところ、悪いところ
引用:https://www.suzuki.co.jp/car/jimny_sierra/
AT車の良いところばかりを取り上げてきましたが、他の車種ではMT販売台数が低いのが当たり前となっている日本の自動車市場において、ジムニー・ジムニーシエラにおいてはMTとATの販売比率が2:1とMTの比率が高くなっています。
降雪や山道・林道・未舗装道路やアウトドアレジャーから森林などでのハードな環境での仕事用まで走破性が高いオフローダーとして使われる事の多いジムニー・ジムニーシエラにおいて、ATよりもMTの信頼性・整備性やスタックするような路面での操作性が優先される傾向が高いです。
また、MT走行を楽しめるコンパクトSUVは希な存在でありジムニー・ジムニーシエラを本格的に楽しみたいという方にとってMTの選択は当然だといえます。
引用:https://www.suzuki.co.jp/car/jimny_sierra/
ロケーションに合わせて機械式副変速機の切り替えと合わせてシフト操作をするのは如何にもクルマを運転している、という実感があり楽しくもあり頼もしさを感じます。
引用:https://www.suzuki.co.jp/car/jimny/
軽自動車規格で室内幅が狭い事もあり、シフト操作時に助手席に座る人の太腿に干渉する時もあるのもネックといえるでしょう。
またMTでは気を抜いて操作しない限りは起こりにくい事象ではありますが「誤発進抑制機能」が備わっていない事も近年の販売車両と比べて安全面に劣ります。
引用:https://www.suzuki.co.jp/car/jimny_sierra/
しかし「標識認識機能」「車線逸脱警報機能」「ふらつき警報機能」「先行車発進お知らせ機能」「ハイビームアシスト」といった予防安全技術「スズキ セーフティ サポート」と衝突被害軽減ブレーキ「デュアルセンサーブレーキサポート」が搭載(ジムニーXCおよびXL・XGスズキ セーフティ サポート装着車、ジムニーシエラJC・JLスズキ セーフティ サポート装着車)されるので安全性能での不安はありません。
引用:https://www.suzuki.co.jp/car/jimny_sierra/
MTを選ぶ際に最大のネックになる坂道発進に関しては「ヒルホールドコントロール」が搭載されており、坂道発進時にブレーキペダルからアクセルペダルに踏み替える瞬間にブレーキが作動(最長約2秒間)するのでサイドブレーキ操作をしなくても車体が後退せず、半クラッチ操作に集中してスムーズに発進する事が出来ます。
路面状況によって「ヒルホールドコントロール」が邪魔になる場面もあるでしょうが、機械式副変速機を「4L」にして「ESP OFFスイッチ」を長押しすると「ヒルホールドコントロール」を停止状態にする事が出来ますので不便に感じる事は無いでしょう。
「ヒルホールドコントロール」搭載のおかげで先代ジムニー・ジムニーシエラまでのMTと比べるとハードルが低くなり、MT初心者用としてジムニー・ジムニーシエラをオススメしやすくなっていますので、御家族で共用して運転するという方でもパートナーにAT限定解除して一緒にMTの楽しさを堪能しようと提案しやすいのも嬉しいです。
【ジムニー】【ジムニーシエラ】ATとMTを比較してみて
引用:https://www.suzuki.co.jp/car/jimny_sierra/
ジムニー・ジムニーシエラのATとMTを比較してきましたが、どちらのトランスミッションであってもジムニー・ジムニーシエラの魅力を堪能出来ます。
先代までと比べてエンジンが一新された事もありATのデメリットが減ってATを選びやすくなりましたし、「ヒルホールドコントロール」搭載でMTのハードルが低くなったのでMTを選びやすくもなっています。
生産台数が少なく納車待ちが1年~1年半と他の車種と比べて圧倒的に長く、買換えが難しいクルマですので発注までにMTにするかATにするか非常に悩む方も居られるでしょう。
基本的に、市街地など舗装路での運転や日常生活での利用が主でメイン車両として使うならばATの方が便利に使えるでしょう。
未舗装路や林道・山道・雪道など悪路での利用が主であったり、他にメイン車両があってセカンドカーとして使う趣味のクルマ、一人しか運転する者が居ない、という方にはMTがオススメとなります。
引用:https://www.suzuki.co.jp/car/jimny_sierra/
これまで取り上げたようにMT・ATどちらもメリット・デメリットがありますが、ラダーフレームを採用したクロスカントリーSUVとなると比較的大型な車種ばかりである中で、軽自動車規格ベースのコンパクトサイズであるジムニー・ジムニーシエラは車両感覚が掴みやすくて小回りが良く、MT・ATどちらでも運転しやすいのも魅力でしょう。
引用:https://www.suzuki.co.jp/car/jimny_sierra/
ミニバンタイプに劣らぬ運転席からの視界の広さと操作性を考慮したステアリング・ペダル・シフト位置で無理な姿勢にならずに運転に最適な姿勢を確保しやすく様々な状況下でも適切な操作性が確保されているおかげで疲労が軽減されているジムニー・ジムニーシエラは運転していて楽しくなるクルマです。
他には無い楽しさを手軽に楽しめるAT、本格的に走破性を発揮しやすいMTと、ジムニー・ジムニーシエラを購入する際にはどちらを選ぶか悩みが尽きません。
共用しやすさ・運転の負担が軽いATのハードルの低さはAT限定免許の方以外でも魅力的ですし、MTもハードルが低くなっているのでMTの操作性に慣れている方・久々にMTを堪能したい方・MTを新たにマスターしたいという方にとって魅力的な選択肢で、書き連ねれば連ねるほどに、どちらも魅力的で「これだ!」という答えを提示できません。
引用:https://www.suzuki.co.jp/car/jimny/
敢えて言うならば、「快適性や積載量などを気にせず尖ったクルマに乗りたい」「とにかくMTのSUVに乗りたいんだ」「ジムニーって稀有なクルマに拘ってるんだ」といった方にとってはMT択一になるでしょう。
最後にまとめです。
AT (オートマチック)の利点:
- 使いやすさ: ギアチェンジの操作が不要で、運転が簡単。
- 疲れにくさ: 渋滞や長距離運転の際、クラッチ操作がないので疲労が少ない。
- 汎用性: 日常の街中走行やオフロードの両方で適応しやすい。
ATの欠点:
- 燃費: 一部のモデルではMTより燃費が劣る可能性がある。
- 費用: 故障時の修理費が高くつくことがある。
MT (マニュアル)の利点:
- 運転の楽しさ: 自分でギアを操作するため、運転のダイレクトな楽しみがある。
- コントロール性: トルクやエンジンブレーキの使い方に柔軟性があり、オフロードでは特に有利。
- 燃費: 一部のモデルではATよりも燃費が良いことがある。
MTの欠点:
- 操作の難しさ: ギアチェンジとクラッチ操作が必要なため、運転に慣れが必要。
- 疲れやすさ: 渋滞や長距離運転でクラッチ操作が続くと、足や手が疲れる。
ジムニーはオフロード走行に適しているため、MTを好む方も多いですが、日常使いではATも人気です。自分の用途に合わせて、使いやすさや費用面も考慮して選ぶと良いでしょう。
アイキャッチ画像引用URL:https://www.suzuki.co.jp/car/jimny_sierra/interior/
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