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トヨタが世界初の量販ハイブリッド専用車【プリウス】を発売後、最近ではPHEVや【ノートe-POWER】などEVの特色が強いハイブリッド車が登場するなど、今では国内外のメーカーから様々なハイブリッド車が販売されています。
低燃費性能やEV走行により燃料代に目が行きがちで、疎かになりかねないのがエンジンオイル。
ここではハイブリッド車のオイル交換について取り上げていきます。
【ハイブリッド車のオイル交換サイクルは?】
引用:https://nitifilter.com/ja/
ハイブリッド車、と聞いて「モーターで走るからエンジンオイルの交換なんて要らないんじゃ無い?」と極端な意見やエコカーというイメージが先行して点検自体を重要視しない人もいるようですがハイブリッド車は各社共にエンジンを回して発電・動力としています。
ハイブリッド車だからといってエンジンオイルの交換が不要、というわけではありません。
エンジンは精密な複数の金属部品が稼働し続けており、エンジンオイルはエンジン内を循環して部品同士を滑らかに動かす潤滑効果や金属部品同士の摩擦で発生する金属摩耗粉や燃料に含まれる水分や燃焼カスを洗い流す洗浄効果を発揮する“エンジンの血液”ともいえるものです。
エンジンオイルはエンジン作動で発生する金属摩耗粉や水分・燃焼カスによってオイルの潤滑性能が日々劣化していき動作する内にオイルの量が減少していくので放置していればエンジンオイルが本来の役割を果たせずにエンジン性能が低下、最悪エンジンが動かなくなる場合もあります。
こうした状況を把握するために定期的にエンジンオイルの汚れや量を確認し、必要であれば補充や交換を行う事が不可欠です。
「ハイブリッド車はエンジンの負荷が軽いからオイル交換時期を長くしてもいい」
という極端な意見をいう方も居られるようですが、ハイブリッド車だからといってオイルの劣化が抑えられているわけではなく、通常のエンジン車と同じく1万5,000km、または1年を目安にエンジンオイルを交換することをメーカーは推奨しています。
12ヶ月点検の時にエンジンオイルを交換するのがちょうど良いでしょう。
短期間での走行距離が長い場合やアップダウンの多い山道、そして渋滞やのろのろ運転などエンジンへの負担が大きい使い方をしているという場合には半分の7,500km・6ヶ月が目安となってきます。
これは通常のエンジン車と同じです。
5,000kmでの交換を推奨している販売店もあるようですが、ハイブリッド車だから交換間隔を長くして良い、と言っているところはありません。
また、近所の買い物だけでそんなに長距離走行していない、という場合も注意が必要です。
近所までの短距離走行の場合、エンジンが温まり切らない内に駐停車するケースが多く、それを繰り返しているとエンジンオイルに含まれていく水分が抜けきらないなどオイルの劣化が進んでしまいます。
ですので走行距離が短いから交換しなくて大丈夫、というわけではありません。
引用:https://www.autobacs.com/static_html/srv/pit/oil.html
またエンジンオイル交換時には同時にオイルフィルターの確認・交換をするようにしましょう。
エンジンオイルに混入した不純物を取り除く役目を持つオイルフィルターは、長期間使っているとオイル内の不純物を除去できなくなり、オイルの性能低下が早まるだけでなく、フィルター自体が詰まってしまいます。
フィルター交換は2年毎での法定点検が目安となります。
点検ついでに交換して貰うことでメンテナンス費用を抑えることも出来ます。
【ハイブリッド車のオイルはどんなものを使用すればいいの?】
ハイブリッド車のエンジンオイルは基本的には通常のエンジン車と同じエンジンオイルが使われています。
販売店やカー用品店によっては一般的なガソリン車で使われている『5W-30』という規格の汎用品銘柄を用意する場合があります。
最近ではエンジンの停止・再始動を繰り返すハイブリッド車やアイドリングストップシステム搭載車のエンジン特性に合わせたエンジンオイルが各メーカーから販売されています。
【プリウス】や【カムリ】など最新のトヨタハイブリッド車では『0W-16』という規格の、最も省燃費性に優れるエンジンオイルが使われています。
引用:https://newsroom.toyota.co.jp/jp/detail/17572004
エンジンオイルとしては粘度が柔らかい部類のもので低温時での始動性能や省燃費性能に優れています。
粘度が高い方が高速走行などエンジンに高負荷がかかり続ける場合には優位です。
しかしエンジンの停止・再始動時には粘度が低い方がエンジンへの負荷が軽減出来ます。
ハイブリッド車の場合、エンジン回転数は一定回転の場合が多くエンジンの停止・再始動を繰り返す事が多いため粘度が低いオイルの方がエンジン特性に合っています。
ただし、全てのハイブリッド車が低粘度のオイルに対応しているとは限らず、対応していないエンジンに低粘度のオイルを入れると本来の性能よりも低下してしまう事があります。
車の取扱説明書に記載されているメーカー推奨規格のオイルを確認したり、販売店やカー用品店などの専門家と相談した上でオイル規格・銘柄を選ぶ必要があります。
「どのオイルでもいいや」「安い奴でいいや」と安易に選んでしまわないようにしましょう。
安易に選んだ結果、性能低下や劣化を引き起こしてしまい修理代に跳ね返ってきてしまうなど以ての外です。
【ハイブリッド車のオイル交換をしないとどうなるの?】
引用:https://carview.yahoo.co.jp/news/market
上記でも取り上げましたがオイル交換をしないと様々な不具合が発生します。
エンジンオイルを交換しなくても動くから問題無い、という極論もあるようですが「動けば問題無い」というわけではありません。
ハイブリッド車のエンジンはバッテリー充電状態や走行状況によってエンジン停止・再始動を繰り返しており、その度にエンジンには大きな負担がかかります。
その負荷を下げる役目をしているのがエンジンオイルの潤滑性能です。
潤滑性能が下がるとエンジンの各パーツが稼動しにくくなっていき、また金属摩耗粉や水分などの汚れが溜まり続けていき、放置しているとオイルが劣化するだけではなくオイルの量が少なくなっていく事も重なってエンジン性能に大きく影響していきます。
目に見えて影響してくるのが燃費です。
ハイブリッド車は省燃費性能が最大の特徴です。
その省燃費性能が損なわれてしまうのです。
エンジンオイルが劣化すれば潤滑性能と洗浄性能が低下していきエンジンが本来の性能を発揮出来なくなっていきます。
オイルの劣化の例でわかりやすいのが自転車のギアとチェーンに溜まる黒いオイル。
定期的にオイルの拭き取りと吹き付け直しをしないと黒いオイルがこびり付いたりパーツが錆び付きペダルが重くなってしまいます。
これと同じで、エンジンのパーツが動きにくくなっていくためパワーが落ちる上にエンジンが回りにくくなるため燃費も落ちていきます。
「ハイブリッド車だから多少燃費が落ちても問題無い」
と短絡的な考えも出てくるかもしれませんが、放置していればエンジンへの負担が増大していきエンジンが焼き付くなどエンジンが故障してしまう可能性が高くなります。
ハイブリッド車はモーターを使った走行が出来るとはいえ、エンジンが回らないと動かす事が出来なくなります。
引用:https://www.honda.co.jp/Fit/
「メンテナンス費用を抑えたいのでエンジンオイルの交換頻度を少なくしたい」「そもそもエンジンオイルって何?」「交換する必要があるの?」 と安易に考えて定期的な交換しないとエンジンに不具合が発生してエンジンの修理や交換が必要になったり最悪廃車など車の寿命を縮めてしまって結果的にエンジンオイル交換費用以上の出費を強いられる結果となってしまいます。
ハイブリッド車は通常のエンジン車と比べて高額な商品です。
購入費用を支払った後のメンテナンス費用は抑えたい、という思いはあるでしょう。
しかし、必須なメンテナンスを削ってまで費用を抑えるのは本末転倒です。
服に例えるなら、高いドレスを買ったからといってクリーニング代が勿体ないからクリーニングしない、でしょうか。
ドレスを着続けると汚れや臭いが付着していき放置していると汚れが取れなくなって傷んでいきます。
車のオイルも同じです。
放置していればエンジン内の汚れが溜まり続けてエンジンに汚れが付着してしまいます。
せっかく高価な買い物をしたのに、丁寧に扱わないで良いのでしょうか?
メーカーが取扱説明書にオイル交換時期・走行距離を記載しているのは「性能を維持するために必要」だからです。
本当に「交換の必要が無い」ならわざわざ記載しません。
高性能のハイブリッド車ですので、その性能を維持するためにエンジンオイルの状態確認・交換を疎かにしないようにしましょう。
アイキャッチ画像引用URL:https://response.jp/article/2017/02/23/291099.html
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